診療案内
歯科は自然治癒がありません。
風邪は休めば治ります。肝臓は半分を切除しても元の肝臓に回復するそうです。歯は穴が開いたら元には戻りません。歯を支える骨(歯槽骨)も一度なくなれば元には戻りません。むし歯や歯周病に自然治癒はありません。削ってつめたりかぶせたり、抜いて入れ歯を入れる治療(人工臓器に置き換える)が主体です。
むし歯や歯周病には原因があります。少しでもその原因を見つけましょう。
病気になりにくい、より健康を目指したお付き合いをしていきたいと思います。
治療をしたら大丈夫ではありません。その状態が維持されより良く使われているかを診続けていきたいのです。
主な診療科目:一般歯科、小児歯科、予防歯科、訪問歯科
焼津は漁港です。遠洋漁業の本拠地です。
船員さんがこられます。「明日出航なのだが・・・」と電話でかかってきます。ひとたび船に乗れば1ヶ月から半年の間、船に乗り、港から港の生活です。ですから歯科治療も思うようにはいきません。一航海づつ治療を進めることがあります。根の治療は1度では終わりにくいものです。幾度か通い続けてこられた方にはむし歯や入れ歯の型を取れれば「次の航海のときにはできてますよ」ということがあります。
転勤の方も相談してください。
お口の働きと構造
飲んで食べて、泣いて笑って、おしゃべりして。人生を楽しむ。
摂食機能、呼吸、発声・発語、表情の表出機能、感覚器官としての機能、細菌進入のバリアとしての機能などがあります。
生きるために呼吸する、栄養補給する、食べる、捕食する、噛む、咬み切る、磨り潰す、咀嚼する、味わう、味覚を感じる、コミュニケーションする、話す、発声発語発音、顔の形を整える、笑う、泣く、怒る、表情を作る。…お口の働きは多岐にわたります。生活の中で大切なところです。
思いっきり笑えますか?食べられますか?自信を持つこと、人間の尊厳につながります。
口は顔の下部、鼻の下にくちびるがありその中にあります。頬におおわれています。
口をあけてみると舌があり頬、お口の天井の口蓋、奥は咽喉へとつながっています。
そして歯があります。
歯は歯冠と歯根にわかれます。歯の表面はエナメル質といい非常に硬くできています。咬み切り磨り潰します。その下に象牙質があり、その中は空洞の歯髄、神経や血が根の尖から通って心臓などの全身とつながっています。
歯根はあごの骨に埋まっています。歯根膜という繊維で骨と歯をつなげています。繊維の伸縮で硬い物やわらかい食べ物などの食感、噛み応えを感じます。するめ、肉、豆腐・・・自然に食べ方を変えています。髪の毛1本でも感じ取ります。骨は歯肉が被って外からの細菌などの侵入を防いでいます。
唾液がお口を潤おし食べ物の咀嚼を助けおしゃべりを円滑にしてくれますます、外界からの菌を寄せ付けない免疫作用、酸を中和する作用があります。
お口の病気
歯は新陳代謝しませんが、人生80年、それ以上、本来一生使っても大丈夫なものです。
歯に穴があいた。冷たいものにしみる、物が挟まり痛いので噛めない、りんごをかじると歯茎から血が出る、ハミガキでも、歯を支える歯茎がとけて歯が伸びてきた、ぐらぐらになり、物を噛むことができない。片側でだけ食べる。
歯が抜けてすいており息が抜ける、言葉がしゃべりにくい、食事が食べにくい。前歯がかけているので恥ずかしく思いっきり笑うことができない、人前に出るのがいやだ。自信がない。生活が楽しくない。
【むし歯と歯周病の原因】
食後3分後に歯垢内の細菌が酸をつくります、その酸が歯を溶かします。
脱灰です。食後40分ほどで唾液の働きにより酸は中和されます。
その後唾液に含まれる燐とカルシウムで再石灰化され脱灰した歯は元の硬い歯に戻ります。
脱灰と再石灰化が繰り返されています。
だらだら食べていませんか?
好きなときに好きなだけ食べてはいませんか?
食生活リズムはどうですか?
特に生まれたばかりの赤ちゃんは2時間おきにお乳を飲みます。
その時期に歯はまだ萌えていません。
成長とともお乳を飲むから食べられるように、胃も大きくなり朝昼夜の3度の食事へとなってきます。
食事を取る回数は多くあります。
栄養的に必要だから食べます、泣けばすぐでる、食べ物でごまかしてはいませんか?
むし歯は子どもに多い病気です。
おやつの取り方、生活リズムが大切です。
そして子供ばかりではありません、大人においても外回りの仕事でよく缶コーヒーを飲むようになった、事務職で声を大切にと、のど飴をよくなめるようになったなど食生活の変化でむし歯は進みます。
<歯周病>
歯肉は歯茎につく歯垢(細菌の塊)が長い間に歯茎に侵入していきます。
細菌の侵入を防ぐために免疫反応で細菌と戦います。
抵抗力が強ければいいのですが、長い間ついている歯垢は中で嫌気性菌(酸素の嫌いな細菌)が増え生体を溶かすようになります。
はじめは歯茎がはれ出血しやすくなり、それから、膿が出てきます。歯を支える骨が解けるのです。
【むし歯と歯周病の治療】
<むし歯> |
むし歯はその硬いはずの歯が溶ける病気です。
むし歯の初期は元に戻ります、エナメル質に止まっているのなら自然治癒があります。
象牙質に達すると中で広がります。しみることがあります。
・歯に穴があいたなら溶けた部位を削って、つめます。充填
・溶けた部位が大きければ元の歯の形にするためにかぶせます。被覆冠
硬い歯の中は空洞です。
歯髄といい血が流れ、神経が通っています。
むし歯が神経に触ると痛みを訴えます。穴があくと痛みが止みます。
放っておくと歯髄の中で細菌は繁殖し膿がたまり、根の先から体中全身へと流れていきます。
・根管治療をします。細菌の住み家となる空洞(根管)を清潔にしてふさぎます。
根管の中に心棒(支台)を立てて冠をかぶせ、歯を作ることができます。いわゆる差し歯です。
前歯は噛み切るために、きれいな笑顔を作るために元の歯と同じ白い歯に奥歯は噛み砕く、すりつぶす、我慢をし、食いしばるために頑丈に作ります。
歯並びは?上下のかみ合わせは?歯はまとまって舌や頬唇などと協調してはたらきます。
<歯周病> |
歯はあごの骨に埋まっています。
歯根膜(繊維)で骨と歯をつなげています。
歯根膜の伸縮で硬い食べ物や柔らかい食べ物などの食感噛み応えを感じます。
骨には歯肉が被っています。
歯と歯肉の境につく歯垢(細菌の塊)が歯肉内に侵入しようとしますが免疫反応で阻止します。
しかし、免疫力よりも細菌が強いと歯周病になります。
歯肉が腫れ、血が出やすくなり歯根膜が破壊され骨が溶けていき、膿(細菌の死骸)が出るようになり口臭がでます。
歯を支えることができなく、硬いものが噛めない、最後には歯が抜けます。
ですから、原因となる細菌の歯垢や歯石を取ります。
すると、自然に歯肉は引き締まり歯根膜はしっかりと歯と骨をつなげてくれます。
免疫反応は丈夫な身体から全身の健康から始まります。
規則正しい生活食習慣が大切です。
一度溶けた歯や骨はもう元には戻りません。
日々歯垢が付かないようにしていきます。
むし歯や歯周病にならない、なりにくくするためによく噛んで食べ話すと身体が丈夫になり抵抗力免疫力がつきます。
お口は生活習慣の問題が出やすい場所です。
問題があるから起きたのです。
原因をしっかり見つけないと今度は身体に出てきます。
誤った食生活から糖尿病 高血圧など、お口は身体の一部であり症状がでやすい場所です、むし歯や歯周病に気づいたなら、生活習慣を切り替えるいい機会だと考えます。
より健康な身体つくりを考えた定期的な健康管理を、お口を通してみていきましょう。
喫煙の影響
タバコの煙にはニコチン、一酸化炭素(CO2)、シアン化水素、アンモニアや多数のフリーラジカルなど4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち250種類が人体に有害で70種類に発がん性が認められています。 他人のタバコの煙を吸わされる受動喫煙(二次喫煙)の害も非常に深刻で、わずかな受動喫煙でも健康に悪影響を及ぼすことが明らかになっており、今では「受動喫煙に安全レベルはない」といわれています。特に小児は成人にくらべて体重あたりの吸気量が多いこと、各種化学物質の解毒・排泄能力が低いこと、細胞分裂が盛んなため発がん物質の影響を受けやすいことなどから、成人にくらべて受動喫煙による健康被害を受けやすいのです。 循環器疾患、消化器疾患、がん、その他の様々な健康障害の原因になっていることが、国内外の多くの疫学的及び実験的研究から示されています。 歯周病の治療をしていると喫煙の影響がはっきりわかります。 歯を支える歯肉や歯根膜は抹消の毛細血管が栄養を供給しています。タバコは抹消血管を収縮させる作用があります。喫煙者の歯肉は出血しにくく一見すると引き締まって見えますが歯周病が進んでいることがあります、治療をしても治りにくいのです。 |
欠損 歯を失ったら
抜けた当初はうまく噛めなく息も漏れて不都合を感じますが、そのうちに慣れてしまいます。人間には適応力があるのです。
そのままにしていると下あごは上あごに沿って上下左右前方に運動をします。前歯や奥歯が並んで上下でかみ合って協調をしてはたらきます。食べ物を噛んでこなし舌にのせ飲み込みます。歯がかけていると、歯は前方に傾いて移動したり、噛む相手がないと飛び出てきます。食物をこなしづらくなります、息がもれて言葉をしゃべりづらくなります。(しかし人間はその環境に慣れてしまいます)歯は垂直的な力に対応します。歯が傾くと歯根膜の負担が大きくなり汚れがたまりやすくなります。歯周病になりやすく進行しやすくなります。
ずっと我慢をして放置していると、いつの間にか食事を丸のみにしている方がいました。
ですから、お口の働きを十分発揮するためには欠損を補綴します。
欠損部には
1、義歯 入れ歯をつくります。はずして掃除をします。
2、ブリッジ 隣接する歯を削り、橋を渡すように冠をかぶせます。
3、インプラント 欠損した場所に人口の歯(チタンなど)を植える。
以上を使って 上下お口の中、全体でのかみ合わせを作っていきます。
定期健診で見ることは
口腔内を診査します。必要があれば高次医療機関へ紹介。
定期健診ではカリエス歯周病を検査し歯だけを診るのでなく、世間話でもよい、心身の少しの成長変化を評価し次回へつなげたい。ヘルスプロモーション、健康増進を一緒に考える。むし歯の治療をしたのならむし歯ができた原因を少しでも見つけ除去していくこと。清掃状態、咬合状態、成長発達による歯牙の交換期などその時期その時期に合わせた口腔内の説明指導。生活の再考、サポート体制としての定期健診です。